【LoopGate導入事例】高級車レンタカーの雄「ネクスト・ワン」が選んだ拠点間コミュニケーションの「次の一手」

株式会社ネクスト・ワンについて

株式会社ネクスト・ワンは、メルセデスベンツ、BMW、ポルシェ、レクサス、テスラなど20以上のプレミアムブランドを取り扱う高級車・外車専門のレンタカー会社である。保有台数は1,000台に達し、研究開発用途や大使館・VIP向けサービス、事故代車の提供など、幅広い領域で事業を展開している。兵庫県西宮市に本社を構え、東京本店、名古屋支店、福岡支店、そして2026年3月に新設された横浜支店を含む全国5拠点体制で、法人顧客を中心にきめ細やかなサービスを提供している。

導入企業: 株式会社ネクスト・ワン
業種: 高級車・外車専門レンタカー事業
導入製品: リモートコミュニケーションシステム「LoopGate」「LoopGate for PC」
利用拠点: 兵庫本社(西宮市)、東京本店、名古屋支店、福岡支店、横浜支店
主な用途: 全社会議、ミーティング、毎朝の朝礼、面談、各種打合せ
Webサイト: https://www.next-rent.net/

ネクスト・ワンが抱えていた課題

テレビ会議専用機の価値を知り尽くした会社

同社の経営を特徴づけるのは、社長自らが全社員と直接向き合うコミュニケーション文化だ。毎朝の朝礼に始まり、週1回の早朝勉強会、月1回の食事会、年2回の政策勉強会、さらに年1回の経営計画発表会と、対話の機会が豊富に設けられている。こうした濃密なコミュニケーションを全国の拠点で実現するために、同社は早くからテレビ会議専用機を導入していた。

拠点間の常時接続にはPanasonic HDコムを採用し、長年にわたって安定した運用を続けてきた。専用機ならではの画質と音質、電源を入れればすぐにつながる手軽さは、IT部門を持たない同社にとって大きな安心材料だった。テレビ会議専用機の価値を知り尽くした企業、それがネクスト・ワンである。

専用機ユーザーに訪れた「二つの転機」

HDコムは長年にわたり安定した運用を支えてきたが、事業環境の変化とともに、同社のコミュニケーション基盤にも新たな検討が必要になっていた。

一つ目は、システムの世代交代だ。 HDコムは十分な役割を果たしてきたが、社内ネット環境の変化に伴い通信負荷が高まる場面が出てきており、保守期間の満了を控えていた。HDコムは販売終了しており、機器の追加購入ができない状況にあることから、事業拡大に伴い拠点が増えた場合に、同一システムでの展開が難しくなるという将来的な課題があった。

二つ目は、外部との接続の問題だ。 社外の取引先との打合せや採用面接など、相手がテレビ会議専用機を持たないケースが増えていた。こうした場面ではGoogle Meetなどの汎用ツールで補っていたが、音声の途切れや接続の不安定さにストレスを感じていた。会議中に「もう一回いいですか」と聞き返す場面が頻発し、常務取締役の辻尾氏はこう語る。

「上司と部下の関係では、部下は聞き返しにくい。聞こえなくても聞こえたふりをしてしまう。それでは正確な情報伝達ができません」

専用機の安定性には満足していた。しかし、専用機と同等の品質を保ちながら、PCやスマートフォンからも参加できるシステムが必要だった。次のシステムに求められていたのは、従来の「専用機か、汎用ツールか」という二択ではなく、両方の強みを兼ね備えたハイブリッドなソリューションだったのだ。

LoopGateはネクスト・ワンの課題をどのように解決したか

専用機の安定性と、PCスマホ連携の柔軟性を両立

ネクスト・ワンがLoopGateに問い合わせたのは、まさにこの「ハイブリッド構成」を実現できるシステムを探していたからだ。LoopGateは、専用端末による拠点間接続と、LoopGate for PCによるPCやスマートフォンからの参加を、一つのプラットフォーム上で統合している。

兵庫本社でのデモンストレーションには、辻尾氏の他、代表取締役、本社拠点長が出席した。経営陣が高く評価したのは、起動から接続完了までの立ち上がりの速さだった。

「これぐらいだったら、みんな使えそうやな」

HDコムで培った「電源を入れればすぐにつながる」という専用機の体験が、LoopGateでもそのまま再現されていることを確認した瞬間だった。

その使いやすさの要となっているのがLoopGateの専用リモコンだ。テレビを操作する感覚でそのまま扱えるため、研修したり操作方法を覚えたりする必要がない。リモコン下部にはワンタッチ発信ボタンが4つ配置されており、頻繁にやり取りする拠点を登録しておけば、ピッと押してパッとつながる。

ネクスト・ワンの場合、各拠点をそれぞれのボタンに割り当てることで、ボタンひとつで目的の拠点に即座に接続できる。HDコムユーザーが慣れ親しんだ「専用機ならではのシンプルな操作性」が、そのまま継承されているのだ。

デモではさらに、RTCテックソリューションズ(当時ギンガシステム)の担当者が自己紹介を続けている最中に、ネクスト・ワン側からも同時に発話するテスト(ダブルトークテスト)が行われた。双方の音声が途切れることなく、一方の声がもう一方をかき消してしまうこともない。汎用ツールで悩まされていた音声品質の問題が、LoopGateでは解消されることを、その場で体感することができた。

最新技術が支える「専用機品質」── 従来のテレビ会議システムをさらに進化させた設計思想

HDコムをはじめとする従来のテレビ会議専用機は、H.323やSIPといったプロトコルをベースに、ポイント・ツー・ポイントの安定接続を実現してきた。その信頼性は長年の実績が証明している。LoopGateは、この実績ある専用機品質の思想を受け継ぎつつ、最新の通信技術を基盤とした新しいアーキテクチャでさらなる進化を実現している。

LoopGateの最新技術への取り組み

クラスタ構成と自動フェイルオーバー
LoopGateのサーバは、複数台が連携するクラスタ構成を採用している。万が一サーバに異常が発生しても自動的に別のサーバに切り替わり、利用者側では接続が途切れることなく通信が継続される。さらに負荷分散(ロードバランシング)により、多拠点同時接続でも通信を最適に分配する。

アダプティブストリーミングと音声優先制御
回線帯域を常時監視し、通常時は1080p(フルHD)・30fpsの高画質映像を届けつつ、回線が混雑した場合には解像度やフレームレートを動的に調整する。ダイナキャスト(SVC対応)により映像は複数の品質レイヤに分割され、受信側の回線状況に応じて最適なレイヤが選択される。そして最も重要なのが「音声優先制御」だ。どれだけ回線が厳しくなっても、音声の通信帯域は常に最優先で確保される。映像が多少粗くなることはあっても、会話が途切れることはない。

エンドツーエンド暗号化(E2EE)
通信はAES暗号化に加えてE2EEにより保護され、通信経路やサーバ上でも復号されない。閉域網やオンプレミス環境にも対応可能な設計は、セキュリティ要件の厳しい企業にも安心感を与える。

LoopGateはこうした最新の技術的アプローチにより、従来の専用機が培ってきた安定性をさらに高い次元で実現している。ネクスト・ワンにとっては、HDコムで大切にしてきた「途切れない接続」が、新しいアーキテクチャでもしっかりと実現されているかどうかが判断のポイントだった。

導入の決断 ── 4拠点5台のハイブリッド構成

ネクスト・ワンはLoopGate導入を正式に決定。構成は兵庫本社に2台、東京本店、名古屋支店、福岡支店にそれぞれ1台の合計5台。各端末にはPC入力ユニットも追加され、ノートPCの画面を大型ディスプレイに映しながら資料共有も行える。

さらにLoopGate for PCの招待機能を併せて採用したことで、HDコムだけでは難しかった「社外連携」も可能になった。取引先や採用面接の候補者など、LoopGate端末を持たない相手にも、PCやスマートフォンからテレビ会議に参加してもらえる。専用端末による社内の安定接続と、招待機能による社外との柔軟な接続。同社が求めていたハイブリッド構成が、この組み合わせで実現した。

導入に先立ち、各拠点のネットワーク環境で事前の通信テストも実施された。機器は各拠点へ納品され、全拠点一斉の設置作業が行われた。RTCテックソリューションズ側で出荷時設定を完了させた状態で納品しており、現場では配線図(クイックセットアップガイド)に沿ってケーブルを接続するだけで利用を開始できた。HDコムの設置に慣れた同社にとって、専用機と同じ感覚で導入に臨めた点は安心材料の一つだったという。

LoopGateがネクスト・ワンにもたらした変化

専用機ユーザーが実感した三つの進化

LoopGate導入後、辻尾氏はLoopGateの特長として三つのポイントを挙げた。いずれも、長年テレビ会議専用機を使い込んできたユーザーだからこそ実感できる進化である。

「スマホ等と連携が可能」 ── 従来の専用機環境では難しかった社外との会議が、LoopGate for PCの招待機能で実現した。高級車レンタカーという事業特性上、メーカーや保険会社、ディーラーなど多様なステークホルダーとのコミュニケーションが発生する。専用機の安定性を社内会議で活かしながら、社外とはPCやスマートフォンで柔軟につながる。同社にとって、この使い分けができること自体が大きな変化だった。

「固まる回数が著しく少ない」 ── 長年にわたり専用機を使いこなしてきた辻尾氏のこの評価は重い。HDコムで培った高い基準を持つユーザーだからこその実感だ。アダプティブストリーミングと音声優先制御、そしてクラスタ構成による冗長化が、この評価の技術的な裏付けとなっている。毎朝の朝礼で社長が全社員に語りかける言葉が、途切れることなく全拠点に届く。その当たり前が確実に実現されるようになった。

「1つ単位で増設が可能」 ── HDコムは販売終了に伴い、新たな端末の追加が難しい状況にあった。LoopGateなら、事業の成長に合わせて必要なときに必要な分だけ拠点を追加できる。この利点が最も象徴的に発揮されたのが、横浜支店への1台追加である。

横浜支店の追加 ── 新拠点の立ち上げで見えたこと

初期導入から約2年。ネクスト・ワンは新たに横浜支店を開設するにあたり、LoopGateの追加導入を決めた。

辻尾氏自ら新拠点を視察し、設置場所の状況を確認。当初検討していた机上設置案からスペースの制約を考慮して壁寄せラック案へ変更し、手持ちの40インチモニターを活用するなど、コストと使い勝手を両立させた構成とした。ネットワーク環境についても電気通信事業者への確認を通じて、他拠点と同等のスペックであることを事前に把握した上での導入となった。

端末は出荷時設定済みの状態で届くため、現場ではケーブル接続と簡単な動作確認だけで利用を開始できた。「必要なときに1台から増やせる」という選択肢は、同社にとって大きな安心材料となった。

運用面で感じていること

テレビ会議システムは導入して終わりではなく、日々の運用のなかで評価が定まっていくものだ。LoopGateには5年間の長期保証が付帯しており、テクニカルサポートは平日の朝から夜まで対応している。

「今どき夜の時間帯まで電話がつながるのはいいね」

辻尾氏はこう評価する。長年にわたり専用機を運用してきた同社にとって、メーカーの対応窓口が長期間にわたって維持されることは、製品性能と同じくらい重要な判断基準だった。

テレビ会議専用機の「次の一手」

ネクスト・ワンの事例は、テレビ会議専用機を愛用してきた企業が「次のステップ」を考えるときの、一つの道筋を示している。

専用機の安定性を手放す必要はない。操作のシンプルさを犠牲にする必要もない。その上で、PCやスマートフォンとの連携、最新の通信技術による安定性、そして事業拡大に合わせた柔軟な増設。ネクスト・ワンがLoopGateを選んだのは、HDコムをはじめとする従来の専用機が培ってきた価値を引き継ぎつつ、これらの要素にも対応できると判断したからだ。

「固まる回数が著しく少ない」「スマートフォンとの連携が可能」「1台単位で増設できる」

辻尾氏のこの言葉は、長年にわたりテレビ会議専用機を使い続けてきたユーザーの実感だ。テレビ会議専用機の更新や次世代システムへの移行を検討されている企業にとって、ネクスト・ワンの選択は大きな参考になるはずだ。