ZoomやTeams、GoogleMeetなどのリモート会議ツールは一般的になりました。会議だけではなく取引先との商談や面接など様々な用途で使われていますが、大事な場面でハウリングやエコーが発生すると大変困ってしまいます。こうした問題解消のためには、原因と対策を理解することが大切です。当記事では、よくあるWeb会議シーンでの問題の一例として、ハウリングやエコーが起こる原因や解決策・対策をまとめています。
快適なコミュニケーションのための一助としてご参考になれば幸いです。
この記事の目次
結論|Teams・Zoomのハウリングは「音のループ」が原因
TeamsやZoomの会議中に突然「キーン」という大きな音が鳴る現象は、機器の故障や通信の不具合ではなく、ほとんどの場合“音のループ”によって発生しています。
マイクが拾った声はスピーカーから再生されますが、その音が再びマイクに入り込むと、同じ音が繰り返し増幅されていきます。一定のレベルを超えた瞬間に、高く鋭い音として現れるのがハウリングです。カラオケでマイクをスピーカーに近づけたときに起きる現象と同じ仕組みで、特別なトラブルではなく、条件が揃えば必ず起きる物理的な現象です。
オンライン会議では参加者ごとに端末や設置状況が異なるため、この条件が成立しやすくなります。ノートPCやスマートフォンの内蔵マイクは広い範囲の音を拾うため、スピーカーの音を避けきれません。同じ部屋で複数人が別々の端末から参加すると、互いの音を拾い合い、わずかな遅延でも増幅が始まります。さらに会議室の壁や机の反射が加わると、音の循環はより強くなります。
TeamsやZoomでは、特定の一人の環境が原因でも会議全体に症状が出るため、誰の設定が問題なのか分かりにくくなります。しかし実際には、設定ミスではなく「音が回る状態」が成立しているだけです。したがって細かな設定変更よりも、音の流れを断つ対処を行うことで、多くの場合すぐに解消できます。
Teams・ZoomなどのWeb会議でハウリングが発生する仕組み
ハウリングとは
WEB会議のハウリングとは、マイクやスピーカートラブルの一つで、遠隔地との通話中に「キーン」という金属音のような不快で大きな音が発生する現象のことです。
マイクから取り込まれている音がスピーカーから出力され、そのスピーカーから出力された音がまたマイクに取り込まれると、音が循環しまたたく間に増幅されてしまいます。カラオケでマイクをスピーカーに近づけた時や、学校の運動会等で拡声器で大声を出した時などにもしばしば発生します。
Web会議では広範囲の音を拾う卓上マイクやノートPCの内蔵マイクを使うケースが多いですが、そのマイクの近くにスピーカーが置かれていて、音が循環していることが考えられます。
主な発生原因と対策
WEB会議でハウリングが発生する主な原因は、音声がスピーカーから出力され、マイクで拾われて再びスピーカーに戻る「音のループ」によるものです。音響環境や機器設定によっても影響を受けます。
音量とミュートの不徹底
スピーカー音量が大きすぎると、周囲のマイクがその音を拾いやすくなり、結果としてハウリングが発生します。適切な音量に調整しましょう。また、複数の参加者が同じ会議に参加している場合、ミュートが徹底されていないことが、音響問題を引き起こす要因となります。自分が話をしていない間はミュートにしておくと安心です。
複数端末の同時使用
同じ空間で複数台の端末を使用すると、それぞれのスピーカーとマイクが相互に干渉し、音のループが増幅されます。参加者が同時に発言する状況では、この問題が顕著になります。会議の進行をスムーズにするためにも、一人一台の端末利用を推奨します。どちらも同じ環境から参加する必要がある場合は、マイクとスピーカーはどれか1人のものだけ有効にし、あとは無効にしておくと回避できます。
音響環境の影響
WEB会議が行われる部屋の環境も、ハウリングの発生に大きく関与します。例えば、壁や床が反響しやすい素材で作られた部屋では、音が繰り返し反射し、マイクに拾われやすくなります。内蔵マイクを使用する場合、この反響音が原因でハウリングが頻繁に発生します。会議を行う際は、カーペットやカーテンを使用して反響を抑える工夫をしましょう。また、静かな環境を選ぶことで、不要な音を拾わないようにすることも重要です。
無指向性マイクの使用
指向性とは、マイクがどの方向の音をどの程度拾うかという特性です。ノートPCやスマートフォンの内蔵マイクは周囲の音を広く拾う無指向性に近く、スピーカー音や反射音も取り込みやすいためハウリングが起きやすくなります。
一方、ハンドマイクのように前方中心で集音するマイクは回り込みを抑えやすく、音の循環が発生しにくくなります
外付けマイクスピーカーでは、用途に合わせて集音範囲を制御できる(指向性を調整できる)製品もあります。
マイクとスピーカーの距離
マイクとスピーカーの距離が近いと、スピーカーから出た音が直接マイクに入り込みやすくなり、音のループが成立しやすくなります。特に卓上スピーカーをマイクの近くに設置している場合は注意が必要です。スピーカーとマイクが一体型ではなく別々のものの場合、1メートル以上離したほうが良いでしょう。設置位置を調整して再確認してみましょう。
iPhone・スマートフォンのノイズキャンセル機能
iPhoneにはノイズキャンセル機能が搭載されていますが、この機能が適切に動作しない場合、ハウリングを抑える効果が十分に発揮されないことがあります。会議前に、音声設定を確認し、ノイズキャンセル機能がオンになっているかを確かめることが重要です。
iPhoneの内蔵スピーカーやマイクをそのまま使うと、ハウリングが発生しやすくなります。外部マイクやイヤホンを使用することで、スピーカーとマイクの距離が適切に保たれ、音のループを防ぐことができます。特にノイズキャンセル機能付きのイヤホンは、音質向上にも効果的です。
3.5mmの4極イヤホンプラグ式ヘッドセットの使用
イヤホンプラグの差し込みが浅いなど接触が悪い場合にもエコーが発生する場合があります。
エコーやハウリングとは少し違いますが、音が出ない・音が聞こえない原因では、プラグの規格が違う製品を使っている可能性があります。イヤホンプラグにはCTIAやOMTPという規格があります。iPhoneやAndroidでCTIAが採用されていることもありCTIAが一般的になってきています。古いイヤホンではOMTPのものがあるかもしれないので注意しましょう。
CTIA:Cellular Telephone Industry Association
知っておきたい関連用語「エコー」「エヌマイナスワン」
エコーとは
エコーは、自分が話した声が相手側のスピーカーから出力され、その声が今度は相手側のマイクから入力されて戻ってきている状態です。エコーが繰り返されることで、音が増幅されハウリングが発生します。
エコーは、話している人にとっては自分の声が聞こえてしまうので、気になって話しにくくなってしまいます。マイクやスピーカーを通して処理されることや、通信の遅延などによって、少し遅れて聞こえます。自分の声が自分にやまびこのように聞こえます。
エコー・ハウリングの発生地点を見つける方法
WEB会議参加地点が順番にマイクオフにしていき、特定地点の操作のタイミングでエコーやハウリングが消えた場合は、その地点が原因になっています。マイク・スピーカーやWeb会議の機能でマイクオフにして、原因調査にあたりましょう。
エヌマイナスワン(N-1)とは
エヌマイナスワンとは、相手へ返す音声から「その場所で話している自分の声」を除外して送る音声処理のことです。
会議では、マイクで拾った音をそのまま全員へ返すと、スピーカーから出た音が再び同じ場所のマイクに入り込み、音のループが成立してしまいます。エヌマイナスワンでは、この“戻ってきてはいけない音”を最初から返さないように制御するため、エコーやハウリングの発生を防ぎます。
この機能は主に、会議室用の音声処理装置(DSP)や音響ミキサー、テレビ会議専用機などに搭載されています。
ただし手動設定が必要な場合も多く、知識がない状態で機器を組み合わせると正しく機能せず、結果としてエコーやハウリングが発生することがあります。

ハウリングを起こさないその他の解決方法(アイテム編)
設定や使い方を見直してもハウリングが止まらない場合、原因は「人の操作」ではなく「機器の性能」と「空間の性質」にあります。
つまり、音の流れそのものを物理的・電気的に制御できる機材へ切り替えることで、再発を防げるケースが多くなります。ここでは実務現場で効果が出やすい代表的な対策アイテムを紹介します。
Zoom・Teams専用機を導入する
ハウリングの多くは「PC・マイク・スピーカーを個別に接続した寄せ集め構成」で発生します。
USB機器の組み合わせでは、音声処理のタイミングが揃わず、わずかな遅延が増幅の引き金になります。
会議室トラブルの多くは設定ではなく構成の問題です。専用機へ置き換えることで、参加者が変わっても毎回同じ音質を保てるようになり、会議準備や問い合わせも大幅に減ります。
ハウリング対策というより、“トラブルが起きない会議環境”へ変えるタイプの解決策です。
DTEN D7X

DTEN D7XのようなZoom・Teams専用機は、カメラ・マイク・スピーカー・AI音声処理が一体設計されており、機器間の遅延が発生しません。さらにエコーキャンセル・話者追尾・自動レベル制御が連動して動作するため、「音が回る状態」自体が成立しにくくなります。
弊社、株式会社RTCテックソリューションズは、DTEN D7Xの販売パートナーです。Zoom・Teamsのハウリングの課題を根本解決されたいお客様は、製品サイトをご参照ください。
オールインワンAIビデオバーを導入する
中規模会議室では、マイク位置とスピーカー位置のバランスが崩れやすく、発言者が遠い席になるほど音量を上げてしまい、結果としてハウリングが発生します。AIビデオバーは、カメラ・マイクアレイ・スピーカー・AIノイズ処理を一体化した会議デバイスです。
Yealink SmartVision 40

Yealinkは、発言者の方向だけを集音するビームフォーミングと、不要音を除去するAIノイズリダクションにより、部屋全体を均一音量にする必要がなくなります。
音量を上げなくても声が届くため、スピーカー音の回り込みが減少し、会議人数が増えても安定した音質を維持できます。
「人数が増えると必ず音が荒れる」会議室では、機材個別追加ではなく一体型へ変更することで改善するケースが多い領域です。
Yealink SmartVision 40のPDF資料は、こちらからダウンロード可能です。
卓上型バウンダリーマイクを導入する
会議室でノートPCを囲むスタイルでは、遠くの人の声が小さく、音量を上げた結果ハウリングが起きます。
これは機器性能ではなく「集音範囲の不一致」が原因です。
卓上型バウンダリーマイクは机の面を利用して広範囲を均一に集音する設計のため、遠い席の声も自然なレベルで拾えます。
結果としてスピーカー音量を上げる必要がなくなり、回り込みを抑えられます。
オーディオテクニカ ESW-T4106

特に会議人数が毎回変わる会議室では、特定方向のマイクより安定性が高く、配置を変えても音質が崩れにくい特徴があります。
「声が小さい → 音量を上げる → ハウリング」の悪循環を断ち切る基本的な対策です。
弊社RTCテックソリューションズはオーディオ製品の取り扱いがございますのでぜひお問い合わせください。
ハンドマイクを導入する
YAMAHA YVC-1000 + ハンドマイク

大会議室や役員会議では、複数人が同時に話すことで音量が急上昇し、エコーキャンセルが追いつかなくなる場合があります。
この領域では「誰の声を拾うか」を明確にすることが重要になります。
YVC-1000のハンドマイクは発言者の口元だけを集中的に拾うため、周囲の反射音やスピーカー音を取り込みにくくなります。
発言時のみマイクを使う運用にすることで、空間全体の音圧上昇を防ぎ、大人数でも安定した会議を実現できます。
議事進行がある会議・審議・説明会などでは特に有効で、
「人数が多いほど荒れる」環境を「人数が多くても整理された音声」に変える対策になります。
弊社RTCテックソリューションズはYAMAHA YVC-1000 + ハンドマイクの取り扱いがございますのでぜひお問い合わせください。
エコーキャンセル機能付きマイクスピーカーを導入する
会議室で最も多いトラブルは「参加者が複数いる状態でノートPCの内蔵マイクを使う」ことです。
内蔵マイクは広範囲の音を拾う設計のため、スピーカー音を確実に拾い続け、常に音のループが発生する条件になります。
この問題を解決するのがエコーキャンセル機能付きスピーカーマイクです。
YAMAHA YVC-331

小〜中規模会議では、PC内蔵マイクの代替としてスピーカーマイクが有効ですが、安価な機種では逆にハウリングが増えることがあります。重要なのはエコーキャンセラーの性能です。
YVC-331は適応型エコーキャンセルに加え「サウンドキャップ」機能を搭載し、音の回り込みが増えた瞬間に自動的に出力を制御します。
これにより、参加人数や席替えで条件が変わっても破綻しにくい音響環境を保てます。
起きてから止めるではなく起きそうな状態を検知して抑える制御のため、利用者が意識しなくても安定した会議が継続します。
机上会議でトラブルが頻発する場合に効果が出やすい機種です。
弊社RTCテックソリューションズはYAMAHA YVC-331の取り扱いがございますのでぜひお問い合わせください。
ヘッドセットを導入する
個人参加の会議では、最も確実にハウリングを防ぐ方法はスピーカーの音を空間に出さないことです。
ヘッドセットは音を耳元だけに閉じ込めるため、マイクへ回り込む経路が物理的に消えます。
会議室では不向きですが、在宅勤務・営業・1on1・面接などでは最も再発率の低い対策になります。
トラブル原因の特定にも役立つため、まず1台用意しておく価値の高い機材です。
Jabra Evolve2 50

Jabra Evolve2 50は、アクティブノイズキャンセリングを備え、周囲の音を抑えながら自分の声だけを拾う設計の業務用ヘッドセットです。
ノートPCやスマートフォンで発生するエコー・二重音声の切り分けにも有効で、「誰が原因か分からない」状況を一瞬で解消できることがあります。
弊社RTCテックソリューションズはJabra Evolve2 50の取り扱いがございますのでぜひお問い合わせください。
吸音アートパネルを導入する

会議室で何度もトラブルが起きる場合、機器ではなく部屋そのものが原因のことがあります。
ガラス壁・硬い床・長机など反射が強い環境では、音が壁や机を往復し続け、マイクへ戻り続けます。この「反射音」は機器の設定では止められません。
吸音アートパネルは音を反射させず内部に吸収することで、空間に残る音エネルギーを減らします。
その結果、マイクへ戻る音量が下がり、ハウリングの発生条件そのものが崩れます。
特に複数人会議では、機材だけで解決しきれないケースが多く、
スピーカーマイク+吸音材の組み合わせにすると安定性が大きく向上します。
「会議室を変えると症状が変わる」場合は、機器ではなく空間対策が必要なサインです。
吸音アートパネルには、日の出工芸株式会社 CALM PANELや東京ブラインド フェルトーン吸音パネルがあります。
シーリングマイクを導入する

会議室全体をカバーできるシーリングマイクを使用することも、ハウリング対策として有効です。
シーリングマイクは天井に設置し、会議室全体の音声を均一に集音するため、机上マイクの位置調整や参加者の座席配置による音量差が発生しにくくなります。特定方向だけ音量を上げる必要がなくなるため、スピーカー音の回り込みを抑えられ、ハウリングの発生条件が成立しにくくなります。
マイクスピーカーにおける「置き方」や「向き」に依存しないため、運用ルールに左右されず安定した音質を維持できます。
「使い方で防ぐ」のではなく、「環境として発生させない」タイプの対策になります。
ADECIA
YAMAHAのADECIAは、マイクやスピーカーを一式揃って導入いただける音響システムです。シーリングマイクなどの機器でより快適な遠隔会議室を作りたいと考えた際、何を導入すれば良いのか分からないと感じる方は少なくありません。そこで音の入口から出口までトータルに提案できるのがADECIAです。ぜひ製品紹介ページをご参照ください。
ハウリング・音響トラブルは会議環境の専門家へご相談ください
ここまで紹介した対策で一時的にハウリングが止まっても、
参加者や場所が変わるたびに再発する場合は、操作ではなく会議環境に原因が残っています。
多くの企業では、PC・マイク・スピーカーを個別に追加することで対応していますが、
機器が増えるほど音の経路が複雑になり、トラブルの再現性が高くなります。
重要なのは「どの機器を使うか」ではなく、
マイクの集音範囲、スピーカーの配置、反射音、ネットワークを含めた
会議空間全体を最適化することです。
弊社では、音響・映像・ネットワークを含めた
会議室インテグレーションにより、トラブルが起きにくい会議環境の構築を行っています。
現在の会議室の構成をもとに、音声トラブルの原因を確認し、
最適な機器構成と配置をご提案します。
- 会議のたびに音声トラブルが発生する
- 複数人会議で聞き取りづらい
- 設定や操作の問い合わせが多い
このような状況がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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